海辺の暮らしではおさえておくべきポイントがある

海辺の暮らしではおさえておくべきポイントがある

憧れの海辺の暮らし|おさえておきたい事前知識とは?

海に近いマイホームに暮らすと、「リゾート気分に浸れる」「素敵な景色が見られる」「子どもや犬との散歩が楽しい」など、魅力ポイントがいっぱいです。

ただ、魅力的に思える点が多くても、多少なりとも注意すべき点もあります。海に近い土地がどんな土地なのか、事前知識を持っておいた方が安心です。

海に近い暮らしをする前には、海に関するおさえておきたい情報を知るようにしましょう。

海の“潮風”による塩害

海の近くは「塩害」が起きやすいです。塩害の特徴や、起こるかもしれない被害は、どんなものでしょうか。

塩害とは?

“塩”が引き起こす被害が塩害です。

海の塩は、潮風や雨などで周辺に運ばれます。塩分が付着すると錆びや劣化を引き起こしやすくなります。

“海に近い”と言っても、
・海からどのくらい距離が離れているか
・海の風がどのくらい当たりやすいか
・海水に含まれている塩の濃度はどのくらいか
によって、被害の状況はだいぶ変わります。

特に海から200~500メートルの地域は「重塩害地域」と言われ、塩害の影響が出やすいです。また、海に近くても、塩害が起きやすいエリア、起きにくいエリアがあります。

事前に、塩害の被害の程度を調べておくことが大事です。

塩害でどんな被害がある?

塩害の被害として、金属やコンクリート、外壁の傷みがあります。

そのほか、
・玄関ドア
・窓枠
・車
・自転車
・門扉
・給湯器
・オイルタンク
など屋外にあるものに被害が起きやすいでしょう。

塩害への対策を覚えておく

エアコンの室外機や換気扇など、基本的に屋外に設置しなければならないものは、風が来る向きを考えて設置するといいでしょう。海と逆向きの屋外におくと、潮風の影響を受けづらいです。

給湯器は、屋内に配置するのも対策のひとつです。屋内に設置すれば、「腐食が起こりづらい」「異常に気付きやすい」というメリットがあります。ただ、「設置するためのスペースが必要」「煙突をつける費用がかかる」などの注意点も考えておかなくてはなりません。

そのため、どうしても屋外に置かなければならないケースもあるでしょう。屋外に設置するときには、潮風があまり当たらない場所を選ぶようにしましょう。

外壁や屋根は、常に塩の影響を受けます。塩害に強い外壁や屋根材を選ぶのも塩害対策です。トタン、スチールなど金属系の素材は、塩分により錆びたり腐ったりしやすい特徴があります。

内部に鉄筋が入っているコンクリート素材も、塩分が浸透して錆びる可能性も考えられます。ガルバリウム鋼板やステンレス、樹脂サイディングなど、錆びにくい素材のものを選ぶといいでしょう。

また、サビにくい処理を施すのも塩害の被害をおさえる方法です。同じ塗料を塗っていても、塩の影響を受けやすい海沿いのエリアは、寿命が短くなるのが一般的です。

塗料選びでは、「汚れづらさ」「防カビ」「耐候性」などを総合的に考えて選ぶことをおすすめします。

海の近くは風が強い

海からやってくる風は「爽やか」という魅力があるのですが、一方で「風が強い」という難点も理解しておきましょう。

窓を開けづらいときもある

風が弱いときは、窓を開けると爽やかで涼しいですが、強風注意報が出ているときは窓を開けるのは厳しいでしょう。

部屋のものが散乱したり、部屋に砂ぼこりが入ったりするかもしれません。「風が強い日」と思ったら、窓は開けない方が無難です。

洗濯物は室内干しがおすすめ

強風時には洗濯物が飛ぶかもしれませんが、風が穏やかな日は、外に洗濯ものを干すことができます。ただ、砂ぼこりや湿気でカラッと乾かないことも少なからずあるでしょう。状況に応じて、室内で干すと安心です。

生活には車を持っていると便利

海の近くと言っても、駅やスーパー、公共施設などからは離れがちなこともあります。風が強い日は、徒歩や自転車での移動は疲れるかもしれないため、車を持っていると便利です。

風致地区だと高さのある家が建てられないことも

海の近くに住むときには、「風致地区」と定められているかチェックしておくといいでしょう。

風致地区とは、自然の綺麗な景観を守るために、都市計画法で定められたエリアのことです。自然が豊かで住みやすい地域ですが、建物を建てるときには周辺の景観を損なわないためのルールを守らなければなりません。

風致地区の種別により高さ制限がある場合は、3階建ては難しいこともあります。平屋なら風の影響を受けづらいですし、風致地区でも問題なく建てられるでしょう。

建物の制限が気になる場合には、自治体や建設会社などに相談してみることをおすすめします。

海近くの土地を選ぶときのポイント

海の近くに住むときには、「災害のリスク」という視点も踏まえて土地選びをしましょう。自治体などのハザードマップで、海抜や避難場所などをあらかじめチェックしておけば安心につながります。

また、「海に近い土地」に限ったことではないですが、地盤についての調査もした方がいいでしょう。

土地選びでは、物件情報の魅力的なキャッチや写真で一目惚れすることもあるかもしれません。心が惹かれる土地に出会ったときには、まずは実際に足を運んで周辺も含めてリサーチしてみることが大事です。