山に暮らすなら心得ておきたいポイント

山に暮らすなら心得ておきたいポイント

山に近い生活を快適にするために…心得ておくべきポイントとは?

山の近くに住めば、「綺麗な自然や広い敷地」「静かな生活」「アウトドアの楽しみ」など、山ならではの魅力はたっぷりです。

ただ、一方では知らずにいると不安に感じる点もあります。山に近い生活を選ぶなら、ポイントをおさえておきたいところです。

事前知識があることで、山に近い暮らしがもっと魅力的になるでしょう。

交通の便があまりよくない可能性

最寄駅までの距離は、山に近いほどに遠くなるのが普通です。

駅までバスで移動したとしても、「バスの本数が少ない」「そもそもバス停までが遠い」というケースも少なくありません。通勤や通学をするなら、移動距離と時間が長めになる可能性も多いです。

土地情報には「駅から○○分」「バス停から○○分」という表示がされていますが、歩くスピードによっては多少の誤差が生じるものと参考程度に考えておくといいかもしれませんね。土地選びのときには、距離や時間、経路などのシミュレーションもしておきましょう。

また、電車やバスに頼っていると交通に不便を感じやすいため、山に近い暮らしをするなら自家用車を持っておいた方がいいでしょう。ただ、車を所有するときには、「維持費」がかかります。後から「こんなにかかるものか」と慌てないように、車の購入費用に加えて、ガソリン代、車検代、自動車税、任意保険料など、事前にどのくらいかかるか把握しておきましょう。

土地選びで確認しておくべき点

一言で「山に近い」とは言っても、いろいろな条件の土地があります。土地選びの前には、どんな点を確認しておくといいでしょうか。

市街化調整区域に注意する

通常、住宅が立ち並んでいるような地域は、市街化を進めていくために住宅建築を促進している地域である「市街化区域」内であることが多いです。

しかし、都市部を離れて山に近くなると、「市街化調整区域」というエリアがあります。市街化調整区域は、市街化区域の逆で「建物を建てることを抑制しようね」というエリアです。積極的に住宅を建てられないルールが定められている地域なので、市街化調整区域に入っていると注意すべき点が多いです。

都市計画法では、原則として「家を建てられない」となっているものの、宅地造成された大規模な分譲地などの場合は新築ができることもあります。

市街化調整区域だから家が建てられないというわけではありません。検討候補の土地が市街化調整区域の場合、自治体や不動産会社などに相談し、気になる点を念入りにチェックしておきましょう。

また、すでに古い家が建っていて、「壊して新築しよう」と考えているなら注意が必要です。そもそも「建て替えができない」と定められている土地のこともあります。後で新築しようと敷地を先に買ってしまい、建て替えできないことがないようにしたいものです。

「農地」への新築は確認事や手続きが多い

一般的に、住宅を建てるために買う土地は、「宅地」であるケースが多いです。しかし、山に近い地域の場合、田や畑などの農地を販売していることもあります。

本来、農地は農作物を育てるための土地。そのため、「家を建てる」という別の目的で売買されることが制限されていて、基本的には農家でなければ購入が難しいのです。一般の人が買うには、宅地に変更する「農地転用」の手続きが必要になります。

農地をほかの地目に変える「農地転用」は、さまざまな条件をクリアしなければなりません。農地転用の手続きは、“市街化区域”か“市街化調整区域”かによって難易度も変わります。

活性化しようとしている市街化区域なら、基本的には届出をすれば転用が比較的簡単に行えます。一方、市街化区域内の農地の場合、自治体に申請してから許可を受けなければならないので、スムーズに転用ができないでしょう。申請から許可を得るまでに、数か月を要することもあります。

購入したい土地について、
・地目が農地なのか
・市街化調整区域の農地なのか
など、自治体などで確認をしておくといいでしょう。

道路のチェック

家を建てるときに知っておきたいのが「接道義務」です。

接道義務とは、家を建てようとする敷地が幅4m以上の道路に2m接していなければならないというルールです。

田舎の土地の場合、道路が公道でないことも多々あります。道路に見えるのに、近所の人の個人所有だった…とならないように注意しましょう。

境界は購入時にしっかりと確認を

都市部の住宅地と比べると、田舎の土地は形状が複雑なことも多いです。

境界がはっきり分かるような整形と比べると、活用がしづらい不整形地は土地代が安くおさえられるメリットがあります。

ただ、田舎の不整形地の場合、境界がはっきりせずに後から問題が起こることも考えらます。

後々、隣地と境界でトラブルにならないためにも、境界に関する不安な点は確認しておくようにしましょう。